アイルランドのLCCであるRyanairが、先日経営破綻したイタリアのフラグキャリアでるアリタリア航空を買収するという計画があることが、この度明らかになりました。
Ryanair (ライアンエアー)とは
ライアンエアーはアイルランドの格安航空会社(LCC)です。設立は1985年とLCCとしてはわりと歴史のある会社のひとつです。
日本ではあまりなじみのない名前かもしれませんが、ヨーロッパのLCCの中では最大の会社であり、就航都市は約200の、保有機材も300機を超えていて、国際線取り扱い旅客数が世界最大になったこともあるほどのメジャーな航空会社です。
格安の航空運賃
ライアンエアーの航空運賃はとにかく安いことで有名です。一時期はロンドンーパリ間を結ぶ便約100円の席を設定したことで話題になりました。
現在でもその安さは健在で、例えばロンドンからバルセロナへの便を片道2,500円程度で購入することが可能です。
安さの理由
もちろんこれだけ安いのにはいくつか理由があり、ルールに従わない場合高額な追加費用が必要にあることもあるため、客側はそれをよく理解したうえで利用する必要があります。
利用空港が不便
空港は基本的に、その都市のメインの空港ではなく、郊外にある第二、第三空港を利用することになります。そのため空港へ行くのに時間がかかったり、公共交通手段が少なくて不便だったりすることが多いです。
チケットは事前に自分で印刷しておく必要がある
搭乗券となるチケットは事前に自分で印刷してもっていかなければなりません。もしこれを怠ると、空港で9,000円近い追加料金を罰金として支払う羽目になります。
チェックインカウンターでVISAチェックを行わなければならない
VISAが必要となる国へ渡航する際は、チェックイン時に確認をしてもらったうえでチケットにスタンプを押してもらう必要があります。入国拒否を受けた搭乗者は航空会社の負担で送り返すというルールがあるため、これを避けるための措置となっています。
手荷物の制限と取り扱いに注意
手荷物の預け入れにはもちろんお金がかかります。重さの規定を超えないように気を付けましょう。またたとえ預け入れたとしても、荷物は飛行機の手前まで自分で持っていく必要があります(登場直前で係員に手渡す)。
色々と制約があり、利用者に不便な部分もある航空会社ですが、なんといっても魅力はその安さ。うまく利用かなり格安旅行を済ませることが可能になります。
LCCがフラグキャリアを買収するという衝撃
これまで述べてきた通りライアンエアーは格安航空会社、いわゆるピーチやエアアジアなどと同じLCCのひとつです。一方でアリタリア航空はイタリアのフラグキャリアです。
この買収計画は、いわば2010年に破綻したJALをエアアジアが買収した、みたいなものです。自国民としては結構な衝撃じゃないでしょうか・・・。
買収がスムーズに進むとは限らない
ライアンエアーは近々買収提案額を発表する予定で、仮に買収したとしてもアリタリアブランドは残す予定のよう。
アリタリア航空の雇用も維持する予定ですが、労働条件はライアンエアーのローコストの基準に合うように変更されると推測されています。
アリタリア航空は2008年にも一度破綻しており、その際にはエールフランスからの買収提案がありましたが、労働組合の強い反対でスムーズにいかず、けっきょくイタリア政府のバックアップをメインに再生を目指すことになりました。
その後も経営はうまくいかず、エティハド航空傘下となり現在に至ります。そのため今回の買収もスムーズにいくかどうかは不透明です。
ライアンエアー以外にも買収に興味を示している会社はあるようですが、提案策の締め切りは10月2日なので、それまでにどのような具体案が提示されるかに今後も注目です。
出典: CNN Money